親が考えるべき英語教育のマネープラン

little baby moneybox putting a coin into a piggy bank - kid saving money for future concept

子供の英語教育を手掛ける時、開始時期も方法も多様です。お腹の中にいる時から積極的に英語を聞かせてあげるケース、幼稚園からプリ(英語保育幼稚園)へ通うケース、小学校もインターナショナルスクールへ通うケースなど、英語濃度もかかる金額もさまざまです。

  • 週に1度英会話スクールへ通うだけではなかなか到達しないレベルに到達するためには、ある程度の決意や覚悟、そして経済力が必要です。この場合、
    小学生のうちに英検2級以上に合格するレベル
    ・中学生のうちにTOEIC800点を超すレベル
    ・高校生のうちにTOEFL iBT100点を超すレベル
    まで到達することを理想にしています。

両親が英語堪能であったり、海外駐在などで家族揃って外国暮らしをするケースは除きます。日本国内で英語教材や英語教室、或いは英語を積極的に採り込んだ学校教育などを通して英語力を高める場合に、どのくらいのコストがかかるのか概算比較が必要です。

  • 英語教育の大きな流れは、コストをかける「時期」と「手段」により分類することができます。
    時期
    ・幼少期にコストをかけ、基礎固めを重視する
    ・高校生以降にコストをかけ、応用力養成を重視する
    手段
    ・自宅学習や英会話教室など、課外活動として英語を取り入れる
    ・学校教育そのものに英語(分かり難い)を積極的に取り入れる

これらの時期や手段を多用に組み合わせることで、予算や都合に合わせた英語教育の方向性を計画することができます。

幼稚園だけプリ

プリとは英語保育幼稚園のことで、英語話者の保育士と共に英語で過ごすことで英語に慣れ親しむための施設です。まだ子供達の年齢が低いことから、英語だけではなく身のこなしや文化の違いも存分に学べるのが魅力です。

■費用1:プリ通園中2~3年間、200万円/年
保育時間により大きく異なりますが、年間200万円が目安です。イースターやバレンタインなど日本の幼稚園ではあまり取り上げない行事にも親しめる反面、使う小物なども全て外国製品で揃えている園も多く、本物に近い環境であるほど費用は高くなります。

■費用2:プリ卒業後50万円~/年
卒業後に日本の公立小学校に通い始めた場合、プリで習得した英語力を保つ必要が出てきます。

・英会話スクール(2万円~/月)+夏季短期サマーキャンプ(30万円~/回)
通常は英会話スクールのプライベートレッスンに通い、長期休みにアメリカや日本国内の英語キャンプへ参加するケースです。通常の英会話スクールのグループレッスンでは物足りないため、プライベートレッスンに通う必要があり、少し割高です。

放課後クラス(4万円~/月)
英会話スクールよりももう少し本格的に英語を続けるなら、プリが卒業生のために用意している放課後クラスにいく方法もあります。週に何度行くかを選べる場合が多いため、費用面や他の習い事とのスケジュール調整もそう難しくはありません。

サタデースクール(50万円~/年)
帰国子女向けサタデースクールは、週に一度でも、土曜日丸一日を英語で過ごすことができます。帰国子女が多いスクールなら外国文化も感じながらレッスンを受けられます。

幼稚園だけプリに通うというケースでは、最初の2~3年こそ年間200万円かかりますが、その後は年間50万円ほどでつないでいくことが可能です。以下は、高校が英語科など英語環境が充実している学校も多いので中学校卒業までこの方法で続けると考える場合の総コスト概算です。

200万円×2年(幼)
+48万(放課後クラス)×9年(小、中)
=832万円(最低金額)

● 200万円×3年(幼)
+54万円(英会話スクールとサマーキャンプ)×9年(小、中)
=1086万円(最高金額)

そこから先は、高校の学費が必要です。私学の場合は年間150万円くらい必要ですが、公立の場合は予算に含めるほどに金額が膨らむことはありません。

プリ+インター小学校、中学は英語に強い私立中学

プリに引き続き小学校もインターナショナルスクールへ通うケースもあります。数は少ないものの、日本語話者の両親を持つ子供でも入学が許されるインターナショナルスクールがいくつかあります。ただその場合は、地元小学校に籍だけを置いてもらえるように手配するなど、若干面倒な手続きが必要です。小学校へ通っていない扱いになることがあるため、その後の方向性も検討したうえで決定する必要があります。

■費用1 プリ通園中、インター小学校通学中8~9年間、200万円~/年
小学生になってもプリ同様の学費が引き続きかかってきます。英語教育は学校が行ってくれるので英会話スクール費用などは一切かかりませんが、学校の成績を保つため、別途家庭教師をつける場合もあります。

■費用2 インター小学校卒業後3年~6年間、100万円~/年
小学校までをインターで過ごしたなら中学は英語に力を入れている私学中学へ進むことで、更なる伸長を望めます。通常高校も同じ学校へそのまま進学するので同様の学費は高校進学後もかかります。この場合高校受験がないため英語のみに集中することもできます。

■費用3 日本語での学習費(通信教育や塾)小学校6年間、1~3万円/月
小学生時代をインターナショナルスクールで過ごすなら、日本語での教育、例えば最低限日本の地理や歴史、国語などは日本語で学習しておく必要があります。この時日本語での学習を放棄してしまうと、たとえ英語が伸びたとしてもバイリンガルではなくなります。また、両親ともに日本語話者で日本で暮らす限り、英語も結局ネイティブレベルには十分届かないケースがほとんどです。両言語共に中後半端にならないように注意する必要があります。

高校進学後学校で十分に日本語教育も受けられるなら、高校からは学校教育費のみで済みます。

プリとインターを経て私立中学へ通う場合、「高校のみ英語科のある公立高校へ」という選択肢も全くないわけではありません。その場合の総コスト概算はこちらです。
● 200万円×8年(幼、小)
+12万円(自宅学習費用)×6年(小)
+100万円(私立中学)×3年(中)
=1972万円
そこから先は、高校の学費が必要ですが、公立の場合は予算に含めるほどに金額が膨らむことはありません。

また、以下はそのまま私立高校へ通った場合の総コスト概算です。
● 200万円×8年(幼、小)
+12万円(自宅学習費用)×6年(小)
+100万円(私立中学高校)×6年(中、高)
=2272万円

日本の幼稚園と親子留学の後、中学帰国子女入試できる間に帰国

どちらか片親がついて行ってあげられる場合、一定期間を外国で過ごす親子留学も可能です。

「日本を拠点に、英語が堪能な子を育てる」ことが目的のコスト試算であるため、将来的に学校教育のすべてを海外で修了する可能性の高いボーディングスクールへの単身留学は除きます。数年の外国滞在後に日本へ帰ってくる前提での「親子留学」では、帰国後の拠点は日本です。

幼稚園から小学校低学年にかけては日本で学校へ通い、日本語がある程度安定して身につくまで日本語で教育を受けます。その後、小学校中学年になってから親子留学のため外国に滞在し、中学2年生あたりで帰国します。

そのまま地元公立中学へ通う場合も中高一貫校へ編入する場合も、高校進学を控えているため各学校へ条件を十分に確認する必要があります。籍を置いたままにしてくれている学校がある場合でも、高校進学のための準備には細心の注意が必要なので、学校側には十分相談したうえで帰国の段取りを組みましょう。

一般的な期間は小学3~4年生から中学2年生までです。

■費用1 親子留学中4~5年間、450万円~/年
幼稚園も小学校も公立へ行けばその間学費はかかりませんが、親子留学中は学費に加え滞在費が必要なので、国内インターナショナルスクールへ通うよりも割高になります。ただ、元々自宅近くにうまくインターナショナルスクールが見つからない場合は、より条件の良い学校の近くへ母子で移り住むこともありますから、国外へ出なくても引っ越しと新たな居住費がかかることはありえます。

親子留学の場合は、「英語圏に滞在し子供は地元の学校へ通い、保護者は地元の語学学校へ通う」ケースが多くみられます。保護者ビザが下りるか、親子どちらの正規留学にした方が手続きがしやすいか、などは滞在する場所や地域により大きく異なります。

■費用2 日本語での学習費(通信教育や塾)親子留学中4~5年間、1~3万円/月
近くに補習校があったり日本のコミュニティーが充実している場合は、この費用は掛からない場合もあります。また、日本滞在時にしっかり日本語を育て、先取り学習により2~3年先まで学習を済ませてある場合は、最初数年は問題集のみで済むので節約することが可能です。

■費用3 英語に力をいれた私立中学通学中1年間 100万円~/年
帰国後日本の学校へなじむためのソフトランディングと英語保持伸長のため私立中学に通う場合、その学費も必要です。この学費は公立中学の場合必要ありません。義務教育期間内なので地元公立中学でも受け入れてくれる場合がほとんどですが、その場合は念のため中学へはあらかじめ状況を説明しておく必要もあります。

■費用4 私立高校通学中3年間 150万円~200万円/年
帰国後公立高校へ進学するケースは実際は少なく、中学生で帰国する際に私立中学へ編入するのが一般的です。或いは高校から英語に力を入れていて帰国子女を多く受け入れている高校へ進学し、寮生活を始める子供達も多くいます。

以下は親子留学を4年(たとえば小5~中2)にとどめ、帰国後公立中学へ進学後、私立高校へは自宅から通学した場合の総コスト概算です。
450万円×4年(親子留学中)
+12万円(自宅学習費用)×4年(親子留学中)
+150万円(私立高校)×3年(高)
=2298万円

また、以下は親子留学を5年(例えば小4~中2)し、私立中学へ編入後更に私立高校で寮生活をした場合の総コスト概算です。中学編入時点で母子の居住費がかかることもありますが、ここでは含めていません。
● 450万円×5年(親子留学中)
+12万円(自宅学習費用)×5年(親子留学中の小、中)
+100万円(私立中学学費)×1年(中)
+200万円(私立高校学費、寮費)×3年(高)
=3010万円

親子留学の際に最も気を付けたいことは高校進学についてです。帰国のタイミングや方向性は、留学を始める前に十分に検討する必要があります。帰国枠入試を利用することになりますが、帰国子女認定の基準は学校により大きく異なります。将来的な選択肢を減らすことの無いように注意しましょう。

英会話スクールや教材学習のみで、英語に強い私立高校在学中1年間私費留学

経済的にコストをできる限り削減するのであれば、公立の学校へ通いつつ放課後や休日に英語を取り入れます。英語の下地ができていれば本物の英語に触れるのは高校からでも間に合います。

  • ■費用1 中学卒業まで12年、40万円~/年
    幼稚園の頃は大切な導入期でたっぷり時間があるので英語を多めに取り入れます。
    ・週に一度の英会話スクール(約30万円)
    ・自宅学習用DVDやカード教材(約7万円)
    ・Amazonなどで販売している市販ワークブック(訳3万円)
  • 小学生になってからは必要に応じて、日本語を介しての英語学習教材も取り入れます。英語に触れる機会を確保するため多読も取り入れます。
    ・週に一度の英会話スクール(約30万円)
    ・Amazonなどで販売している市販ワークブック(約3万円)
    ・日本人向け英検対策市販英語学習ワークブック(約3万円)
    ・多読用洋書 (10万円)
  • 中学生になってからは、高校受験に有利な資格(英検2級や準1級)を意識しながら、洋書やインターネットを使った英語学習で英語に触れる機会を確保します。
    ・週に一度の英会話スクール(約30万円)
    ・洋書(約10万円)
    ・英検、TOEICなど資格取得向け問題集(5万円)

■費用2 私立高校通学中2年、100万円/年 + 留学中1年、300万円/年
私立高校へ入学する際には留学できる学校を選びます。高校での留学は交換留学もありますが、交換留学では行きたい場所を自由に選ぶことができません。明確な英語学習の意思があるなら、高校では行きたい学校へ留学できる私費留学を選びましょう。

中学までを公立学校+英語学習で過ごし、高校生の時に一年間留学する場合の総コスト概算です(高校の寮費は含みません)。
● 40万円(英会話スクールや教材費)×12年(幼、小、中)
+100万円(私立高校学費)×2年(高)
+300万円(高校在学中の私費留学費用))×1年(留学中)
=980万円

高校卒業留学や大学学部留学

外国の高校や大学を卒業することで英語力を伸ばすこともできます。もっとも高校や大学となると、留学生大歓迎な学校ではその英語力にあまりこだわりなく留学生を受け入れるため、学校生活そのものは苦労なく過ごせますが、思ったほど英語を伸ばせないケースもあるので、学校選びが重要です。

■高校卒業留学の場合:現地高校在学中3年間、留学費用200万円~400万円
■大学学部留学:現地大学在学中4年間、留学費用500万円~900万円

高校卒業留学や大学学部留学を有意義なものにできるかどうかは、それまでに身につけた英語に大きく左右されます。英検2級(TOEFL50点)と、英検1級(TOEFL100点)とでは、同じ授業を受けても理解度がまるで違うからです。

学校選びは慎重に時間をかけて行い、留学までに英語力を高くしておくことが必要です。そのための学習スタイルやコストの掛け方はさまざまで、国内インターへ行くケースも自宅教材を使うケースもあります。また、留学先で正規の授業が始まるまでに一年間現地語学学校へ通うケースもあります。パターンはあまりにもさまざまですが、大きく分けて4つにわかれる方向性で試算してみましょう。

中学までは公立学校へ通い、高校3年間のみ留学し、日本の大学へ進学する場合の総コスト概算です。
40万円(英会話スクールや教材費)×12年(幼、小、中)
+ 200万円~400万円(現地高校)×3年(高)
=1080万円~1680万円
国立私立共に大学へは帰国子女枠入試で入学できる場合も多くあります。学校により条件が違い、留学と駐在を明確に区別している学校もあるので注意しましょう。国公立大学の場合は、予算に含めるほどに金額が膨らむことはありません。

幼稚園のみプリへ通い、その後公立小中学校へ通いながらプリ付属の放課後クラスなどで英語を伸ばし、高校から海外高校へ留学した場合の総コスト概算です。
200万円×2年(幼)
+ 48万(放課後クラス)×9年(小、中)
+ 200万円~400万円(現地高校)×3年(高)
=1432万円~2032万円(最低金額)
国立私立共に大学へは帰国子女枠入試で入学できる場合も多くあります。学校により条件が違い、留学と駐在を明確に区別している学校もあるので注意しましょう。国公立大学の場合は、予算に含めるほどに金額が膨らむことはありません。

高校まで全て公立学校へ通い、大学のみ学部留学をする場合の総コスト概算です。
● 40万円(英会話スクールや教材費)×15年(幼、小、中、高)
+ 500万円~900万円(現地大学)×4年(大)
= 2600万円~4200万円
高校までの学費は、公立の場合予算に含めるほどに金額が膨らむことはありません。

高校まで全て公立学校へ通い、大学進学(留学先大学?)のため学部進学前に語学留学する場合の総コスト概算です。
40万円(英会話スクールや教材費)×15年(幼、小、中、高)
+ 300万円(語学学校)×1年(準備期間)
+ 500万円~900万円(現地大学)×4年(大)
=2900万円~4500万円
語学学校へ通う期間は半年に縮めることも、一年半に伸ばすことも可能です。

  • 高校や大学で留学する場合、特にアメリカの私立大学へ行くと費用は膨らみます。大学学部留学の費用を削減するためにはいくつかの方法があります。
    ・一流大学ほど高額なのでランクを落とす
    ・公立(州立)大学を選ぶ
    ・特待生制度を利用する
    ・奨学金を獲得する
    残念なことにもっとも可能性が低いのは、給付型奨学金をもらっての留学です。給付型の奨学金は学部留学にはほとんど用意されていません。貸与型の場合は社会人になったのちに返済が始まりますが、住宅ローンと見まがうほどの金額ですから、組む場合は注意深い検討が必要です。

逆に理系大学院留学のための奨学金は比較的充実しているため、留学を大学院まで待つのも一つの方法です。

もっとも現実的な費用削減は、公立大学を選ぶことです。カナダは公立大学が多く、年間200万円ほどの学費(生活費を除く)での留学が可能です。オーストラリアは国立大学が多く、年間学費が150万円(生活費を除く)で、3年で卒業できる場合もあります。

また、アメリカはイギリスよりも特待生制度が充実しているため、各大学のホームページを確認することで条件を比較検討しましょう。どこから手を付けたらいいのかわからない場合はまず、留学斡旋業者のフェアへ足を運ぶのも一つの方法です。その場合も自分自身の手で情報収集することを忘れずに。

公立学校に英会話スクールや自宅学習を組み合わせる場合

一番経済的に負担が軽い方法ですが、保護者のまめなチェックが欠かせず手がかかるのも事実です。英語の習得具合を知るための資格試験取得も欠かせません。

  • ■費用1 幼児期から小学生低学年にかけて6~8年間、40万円/年
    ・英会話スクール(グループ)12万円/年
    ・オンライン英会話(プライベート)12万円/年
    ・教材と多読用本15万円/年
    ・検定費用(英検)1万円/年
    絵本は割高なため、この時期は書籍購入費用が一番かかる頃です。
  • ■費用2 小学中学年から中学生にかけて5年間、35万円~/年
    ・英会話スクール(グループ)12万円/年
    ・オンライン英会話(プライベート)12万円/年
    ・教材と多読用本10万円/年
    ・検定費用(英検、TOEIC)1~2万円/年
    チャプターブックを読むようになると本代が減りますが、資格試験を受ける機会は増えます。

高校は英語科のある高校に進めば家庭での学習費はほとんど必要なくなります。それまで洋書で行っていた多読も、インターネット記事を読むことへ移行できるため、実質本題は資格試験のための問題集のみになることもあります。

学校教育を日本の公立学校へ任せ、課外活動のような意味合いで英語を取り入れる場合の総コスト概算です。
40万円(英会話スクールや教材費)×6年(幼、小)
+ 35万円(英会話スクールや教材費)×5年間(小、中)
= 410万円
高校以降の教材は年間2万円以上に膨らむことはありません。

10年、15年先を見越した計画が必要であるため、できる限りの情報を集めて比較検討しましょう。それでも方向性を間違った、と思った時にはプランを練り直す柔軟性も必要です。予期せぬ展開、例えば通える学校が無くなってしまうようなケースを避けるため、文科省の定めた学校教育から一時道を外す場合は、十分に注意し納得したうえで決断しましょう。

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